オタク(おたく、お宅)とは、
自分の好きな事柄や興味のある分野に傾倒しすぎる人への呼称。
ある物事へ一般人よりはるかに熱中している人・詳しい人のことである。
しばしば自他に関わらず揶揄などを伴ってヲタクと表記される場合もある。
略称はオタ(およびヲタ)。
以上、ニコニコ大百科(仮)より引用。
揶揄なんてとんでもない。
個人的に「オタク」という言葉は一種の褒め言葉です。
むしろそういう人は人間として尊敬と羨望のまなざしで見ています。
読書、ハロプロ、あとはサブカル方面が少し。
好きなことや分野はあるけれど「オタク」と呼ばれたことはまだありません。
好きなことに対しての好奇心・行動力・集中力がないからだと解釈しています。
熱中できるというのは立派な1つの才能です。
好奇心・行動力・集中力…どれも私には足りない。
これらを維持、いや、向上できるのですから憧れます。
だからオタクに憧れる私としては、
泉ハナ先生『外資系オタク秘書 ハセガワノブコの華麗なる日常』
書店で見かけた以上これは読まないわけにはいかないなと(笑)
帰国子女。
アメリカの名門大卒。
現在は外資系銀行秘書。
上司はイケメン(外国人)。
友達は超セレブ(外国人)。
※ た だ し オ タ ク 。
ああ、神よ。
夏コミの日がお盆であったことを、
これほどまでに感謝したことはありません。
冒頭から夏コミを理由にお盆を盾に仕事を休む主人公。
なにこのハイスペックオタク(驚愕)
タイトルの「華麗なる日常」とは、
“華麗なる(外資系秘書の)日常”ではなく
“華麗なる(経歴はともかくひたすらオタクな)日常”なのです。
ハイスペック+オタク。
双方から嫌われそうなステータスの主人公・ノブコ。
当初、私もぶっちゃけあまり期待せず読んだのですが。
ノブコの魅力はそこではなかったのです。
経歴でも属性でもない魅力…それは彼女の性格でした。
エミリーのこと、好きじゃないけれど、意地悪な人ではないことは知ってる。
顔のいいのがいい男じゃない。
ここぞって時に頼りになるのが、真のいい男だ。
「すみません、なんでアフリカ、だめなんですかね?」
(中略)
「嫌とか以前に、私にとっては日本以外の国は、ただ外国ってだけなんですけど」
華麗なステータスゆえに
職場で、コミケで、パーティで、トラブル&バトルに苛まれるノブコ。
「人はね、自分の価値観でほかも見るからね」
偏見や羨望など周囲の目にふりまわされながらも、
自分の考えをまとめ、人の話を聞き、消化しようとするその姿は、
経歴もオタクも関係なく純粋に素敵だなぁと好感が持てましたね。
こんなに芯のしっかりした主人公、
『お任せ!数学屋さん』(向井湘吾 著)の遥ちゃん以来じゃなかろうか。
こういう、自分をしっかり持った、枠組みに囚われない人は大好きです。
ノブコがあんなもんですので(失礼)、
読むのに好みは分かれるかと思います。
文体自体はエッセイ調で軽くて読みやすいです。
終盤の展開がやや無理やりでしたがそれでもおもしろい!
タイトルや設定で偏見持たれがちな作品かもしれませんが
ライトからディープまでオタク勢には是非読んでほしい1冊です。