• 随筆、特別展「毒」について

    2022年11月1日~2023年2月19日まで国立科学博物館で開催されている〈特別展「毒」〉に行ってきました。凝ったレポートを書くつもりはありませんが、個人的に学んだこと、おもしろいなと感じたところなどを記録を残しておくので興味があったら読んでください。また、文章にするにあたり購入した図録を適宜参考または引用しています。 まず、前提としてウイルスは「毒」じゃないそうで...

    2022年11月10日

  • あのバウムクーヘンは無事に岐阜へ届いたのか -『見知らぬ人』感想

    エリー・グリフィス『見知らぬ人』(上條ひろみ・訳)を読んだ。 イギリス産ミステリーということで、さすが、話のところどころで紅茶やビスケットが出てくる。思わずこちらも、ミルクティーなんぞしばきながら二転三転のフーダニットを楽しませていただきました。 直前にピーター・スワンソン『アリスが語らないことは』を読んで「あああああ!(こういう男を翻弄する美人)マジで嫌いだわぁ!(^...
  • 瀬尾まいこはバイキングのサラダだ -『夏の体温』感想

    気がついたら下半期がはじまっている。 読書ペースは例年どおり月に3~4冊程度だけれど、読書運が悪いのか、今年はあまり感想や考察をあれこれ妄想するほどの良著に出会えていないような気がする。読書記録をふりかえってみても、読後の熱を鮮烈に思いだせる小説はまだ2冊しかなかった。海外のSFとミステリー。どちらもストーリーはさることながら、キャラクターの造形と彼らの織りなす会話の空気やテンポがい...
  • 随想、『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』について

    Binary Haze Interactiveから出ているゲーム『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』がめちゃくちゃおもしろかったので、考えたことをあれこれまとめておきます。ネタバレあり。とはいえ物語の考察は他所の良質な記事に任せ、こちらはあくまで雑感です。 ENDER LILIES⇒ユリを断ち切る者 ...

    2022年6月1日

  • ホラーとはなにか? – 宮田光『沼の国』

    胡仙フーシェンというキツネがいる。中国の民間信仰に登場する神通力を持ったキツネのことで、たとえば河北省滄州市の楽城県にあった県城の奎星楼には古くから胡仙がいると信じられている。この胡仙は酒を飲んで暴れたり不信心な者に危害を加えたりするとも、また良薬を与えたり盲人の目を見えるようにしてやるともいわれた。 同じように、私たちの国でも妖怪とは総じて凶事と吉事の側面を併せ持つ。まだまだ科学が...
  • 随想、死について

    最近は岡田斗司夫の動画をはじめ、五十嵐律人『原因において自由な物語』だったり久坂部羊『R.I.P. 安らかに眠れ』だったり、どうも死について考える機会が多かった。 思うに、私たちが死をおそれる理由は ①死に伴う痛みがこわい ②今していることができなくなるのがつらい この2点に絞られるんじゃなかろうか。つまり、苦痛と不満である。 おそらく①は...

    2022年5月7日

  • 賢さは、情報を集める技術ではなく精査する能力に宿る -『自由研究には向かない殺人』感想

    ホリー・ジャクソン『自由研究には向かない殺人』(服部京子・訳)を読みました。あらすじに「ひたむきな主人公の姿が胸を打つ」とあって、他所でもそのあたりがよく挙げられていたので手にとってみたのですが、広告に偽りなし!次々と浮かびあがる容疑者たちや被害者の秘密、脅迫者の影に翻弄されながらも一生懸命立ちむかうピップには好感しかなかった。相棒となるラヴィとのやりとりも微笑ましい。続編はもちろん買います。 ...
  • 梶原恭介はオレステスだったのかもしれない -『マザー・マーダー』感想

    ネタバレ注意! 本記事は矢樹純『マザー・マーダー』の重要な部分について触れていますので、作品を既読である、またはネタバレを承諾する場合のみ閲覧することを推奨します。 矢樹純『マザー・マーダー』を読みました。あらすじに「歪んだ母性が、やがて世間を震撼させるおぞましい事件を引き起こす」とあったので5話編成の長編小説かなと思ったのですが、どちらかというと連作短編集でしたね...

    2022年3月17日

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佐々木 麦 Sasaki Mugi
読んだ小説についてあれこれ考察するのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。