- あなたさまは、川瀬七緒の『女學生奇譚』という小説をご存知でしょうか。それは曰くつきの古本の謎を追うミステリーでありながら、昭和初期の女学生たちをめぐるホラーでもあり、最後には爽やかさすら感じる主人公・八坂駿のヒューマンドラマでもありうるという、とにかく一言では形容しがたい1冊なのでございます。ただひとつ胸を張って言えるのは、この本がじつに良質であったということ。麦はあなたさまとぜひこの恍惚...
2019年10月11日
- 山白朝子『私の頭が正常であったなら』を読みました。奇妙系に仕立てたゴーストストーリーというほうがしっくりくるけど、作者は怪談専門誌出身だそうだし、ジャンルは「ホラー小説」のくくりでいいのかな。奇談というだけにとどまらず、結末の先に想いを馳せたり、登場人物たちの些細な言動にも考えさせられる粒ぞろいの作品ばかりで不思議な読み心地がクセになる1冊。超好き。 洗練...
2018年5月31日
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