サスペンス
  • ……今私たちに必要なのは……萌え……防御線……ねじりほんにょ…… -『クロストーク』(上下)感想

    ネタバレ注意! 本記事は作者『作品名』の重要な部分または結末について触れていますので、作品を既読である、またはネタバレを承諾する場合のみ閲覧することを推奨します。 コニー・ウィリス『クロストーク』(大森望・訳)読みました。めちゃくちゃよかった。 どのくらいよかったかというと、上下巻、各500Pぐらいあるのを正味3日で読んだし、読んでないときもブリディと...
  • 貧困はきっと、思考の停止からはじまる -『らんちう』感想

    ネタバレ注意! 本記事は赤松利市『らんちう』の重要な部分または結末について触れていますので、作品を既読である、またはネタバレを承諾する場合のみ閲覧することを推奨します。 赤松利市『らんちう』を読んだあとのアウトプットです。「殺されて当然」とすら思ってしまう支配人の強烈な手腕と性格、従業員たちの口からサブリミナル的に聞かされる自己啓発セミナーの異様な光景、その...
  • 愛でるように、いたぶるように調理された“恐怖”の一皿を召しあがれ -『女學生奇譚』感想

    あなたさまは、川瀬七緒の『女學生奇譚』という小説をご存知でしょうか。それは曰くつきの古本の謎を追うミステリーでありながら、昭和初期の女学生たちをめぐるホラーでもあり、最後には爽やかさすら感じる主人公・八坂駿のヒューマンドラマでもありうるという、とにかく一言では形容しがたい1冊なのでございます。ただひとつ胸を張って言えるのは、この本がじつに良質であったということ。麦はあなたさまとぜひこの恍惚...
  • 無理難題の舞台で踊れ -『タイトルはそこにある』感想

    堀内公太郎『タイトルはそこにある』を読みました。「担当編集者が繰り出す五つの難題を前に、鬼才はいかなる作品を書き上げたか?」という帯の宣伝文句に惹かれて購入しましたが、うーん、小説技法としての個性や巧さには目を丸くするものの物語性に乏しく思っていたような読後感を得られませんでした。とはいえ、これは私が勝手に期待の仕方を間違えてしまっただけなので感想は責任を持ってしっかり書きます。 ...
  • To be , or not to be … -『憂鬱な10か月』感想

    イアン・マキューアン『憂鬱な10か月』(松村潔・訳)を読みました。主人公がまさかの〇〇という前代未聞の設定に惹かれて手にとらざるをえなかった。古典文学風の趣があり非現実的な物語のように見えるのですが、その一方で人間の本質や本能については嫌になるほどリアルで考えさせられる。万人には決して勧められないクセがありますが設定のユニークさだけに依存しないしっかりした読みごたえのある1冊です。...
  • 人狼やTRPG好きな人、集合! -『プロパガンダゲーム』感想

    根本聡一郎『プロパガンダゲーム』を読了。以前から気になっていたものの、「就活サスペンス」という言葉がなんとなく壁になって手にとるまでに至らずいたのですが、「読んでみたら?」という人からの後押しでようやく手を出しました。普通におもしろかった。読む前から「こういう設定苦手~☆」とか言って遠ざける自分が私は心底嫌いです。 ゲーム部分のつくりこみはすごい ...

    2018年3月19日

  • 『仮面病棟』(知念実希人 著)

    知念実希人氏『仮面病棟』を読了しました。 昨年は苦手なジャンルにも 積極的に挑戦するようになった年だったので、 今年はもっと読める領域を広げていこう!と、 既読の作家の他作品にも手を伸ばしてみました。 ピシッとした文体にゴリゴリの医療ミステリー。 こういうの海堂尊氏のバチスタシリーズ以来か? なつかしいな、あれ、読んだの...
  • 『The Book』(乙一 著 / 荒木飛呂彦 原作)

    乙一氏『The Book』読了しました。 荒木飛呂彦氏原作の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」 第4部の世界を舞台にした小説だそうですね。 原作未読なのですが、 アニメを何話か観たことがあったので 結構軽い気持ちで手にとってみました。 余談ですが4部は実写映画化もされるそうですね…お、おう。 ちなみに作者の乙一氏は 中学時代にそ...
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佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。