サスペンス
  • 愛でるように、いたぶるように調理された“恐怖”の一皿を召しあがれ -『女學生奇譚』感想

    あなたさまは、川瀬七緒の『女學生奇譚』という小説をご存知でしょうか。それは曰くつきの古本の謎を追うミステリーでありながら、昭和初期の女学生たちをめぐるホラーでもあり、最後には爽やかさすら感じる主人公・八坂駿のヒューマンドラマでもありうるという、とにかく一言では形容しがたい1冊なのでございます。ただひとつ胸を張って言えるのは、この本がじつに良質であったということ。麦はあなたさまとぜひこの恍惚...
  • 無理難題の舞台で踊れ -『タイトルはそこにある』感想

    堀内公太郎『タイトルはそこにある』を読みました。「担当編集者が繰り出す五つの難題を前に、鬼才はいかなる作品を書き上げたか?」という帯の宣伝文句に惹かれて購入しましたが、うーん、小説技法としての個性や巧さには目を丸くするものの物語性に乏しく思っていたような読後感を得られませんでした。とはいえ、これは私が勝手に期待の仕方を間違えてしまっただけなので感想は責任を持ってしっかり書きます。 ...
  • To be , or not to be … -『憂鬱な10か月』感想

    イアン・マキューアン『憂鬱な10か月』(松村潔・訳)を読みました。主人公がまさかの〇〇という前代未聞の設定に惹かれて手にとらざるをえなかった。古典文学風の趣があり非現実的な物語のように見えるのですが、その一方で人間の本質や本能については嫌になるほどリアルで考えさせられる。万人には決して勧められないクセがありますが設定のユニークさだけに依存しないしっかりした読みごたえのある1冊です。...
  • 人狼やTRPG好きな人、集合! -『プロパガンダゲーム』感想

    根本聡一郎『プロパガンダゲーム』を読了。以前から気になっていたものの、「就活サスペンス」という言葉がなんとなく壁になって手にとるまでに至らずいたのですが、「読んでみたら?」という人からの後押しでようやく手を出しました。普通におもしろかった。読む前から「こういう設定苦手~☆」とか言って遠ざける自分が私は心底嫌いです。 ゲーム部分のつくりこみはすごい ...

    2018年3月19日

  • 『仮面病棟』(知念実希人 著)

    知念実希人氏『仮面病棟』を読了しました。 昨年は苦手なジャンルにも 積極的に挑戦するようになった年だったので、 今年はもっと読める領域を広げていこう!と、 既読の作家の他作品にも手を伸ばしてみました。 ピシッとした文体にゴリゴリの医療ミステリー。 こういうの海堂尊氏のバチスタシリーズ以来か? なつかしいな、あれ、読んだの...
  • 『The Book』(乙一 著 / 荒木飛呂彦 原作)

    乙一氏『The Book』読了しました。 荒木飛呂彦氏原作の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」 第4部の世界を舞台にした小説だそうですね。 原作未読なのですが、 アニメを何話か観たことがあったので 結構軽い気持ちで手にとってみました。 余談ですが4部は実写映画化もされるそうですね…お、おう。 ちなみに作者の乙一氏は 中学時代にそ...
  • 『強欲な羊』(美輪和音 著)

    今年のGWのことだったと思います。 PS3の『キャサリン』というゲームをやりました。 主人公・ヴィンセントが、 恋人から遠まわしに結婚を迫られ。 酒場で出会った魅力的な女性と一夜を共にしてしまい。 ヴィンセントを惑わす2人の〈キャサリン〉をきっかけに、 彼に人生を賭けた奇妙な悪夢が襲いかかってくる――! 立体パズルゲーム?です。...
  • 『再会』(横関大 著)

    連休中、 『歌舞り者。』というフリーゲームの実況動画を見ました。 謎のゲーム〈仮面舞盗会〉。 賞金を賭けた複雑な推理&心理戦。 主人公は人を“信じる”ことでこのゲームに臨む! (※こちらもまた大変おもしろいゲームでしたよ!) ゲーム中とあるキャラクターがこんなことを話しています。 人は幾つもの顔を持っているもので、 性...
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佐々木 麦 Sasaki Mugi
読んだ小説の感想や考察を書いています。好きが高じて元小説家志望なので、一篇の物語のように心躍る記事が書ければ。ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれます。小説の他に哲学、美術、神話などの学術本も好きです。