【感想】
  • 嵐が来たら、風下に巣穴をつくりなおせばいいの – 一條次郎『ざんねんなスパイ』を考察する

    !ネタバレ注意! 本記事は一條次郎『ざんねんなスパイ』に関する考察記事です。作品の重要な部分または結末について触れていますので、作品を既読である、またはネタバレを承諾する場合のみ閲覧することを推奨します。また、記載される内容はあくまで筆者個人の意見です。 テーマから考えるということはしないので、段々そうなったというか、テーマみたいなものは後からついてきた感じです。 ...

    2021年10月11日

  • 麻枝准知らない族が得たもの -『猫狩り族の長』感想

    今まで虚構を描いてきた。 初めて本当に思っていることを書きました。 書店で新刊を漁っているときにふと目に留まったのが帯に書かれたこの言葉で、それから、ただならぬ雰囲気の表紙、タイトル。麻枝准という作者は知らなかったけれど『CLANNAD』というゲームタイトルは方々で聞いていたので、知見を広げるため手にとってみたのですが……文字どおり、呆気にとられたとしか。 「譜面で見て弾いた...
  • 檻は鳥から自由を奪い、命を守る -『久遠の檻 天久鷹央の事件カルテ』感想

    『火焰の凶器 天久鷹央の事件カルテ』以降しばらく空いちゃったんですけど、久しぶりに天久鷹央シリーズの感想です。 シリーズ12作目、うち〈事件カルテ〉シリーズとしては7作目となる長編小説。語り手である“僕”こと小鳥遊優に加え研修医の鴻ノ池舞を正式に統括診断部のメンバーに迎え、おなじみ天才医師・天久鷹央が15年以上の時を経てなおまったく容姿の変わらない少女・楯石希津奈の不老と復活の謎に挑...

    2021年9月14日

  • 結局、プルデンシアってどうなるでんしあ? -『ホテル・アルカディア』感想

    ついにはあからさまに人目を避けるようになり、二週間ほど前から、敷地のはずれにあるコテージに閉じこもっているという。 (P12/L7~8より引用) ごきげんよう。ついにもなにも、常日頃人目を避けて部屋に閉じこもっている佐々木ン麦シアです。 というわけで、石川宗生『ホテル・アルカディア』を読んで思ったこと、感じたこと、考えたことなどプルデンシアになったつもりであれ...
  • 社会なんて人なんて -『料理なんて愛なんて』感想

    料理は、小学生のときに覚えた。 母がパートで夕方まで帰ってこないため、偏食の私が給食を残しておなかを空かせて帰ると、自分でなにかつくらなくてはならない。フライパンでハーフベーコンを4枚焼き、食パンに#の形にのせたらとろけるチーズも上にのせ、電子レンジで1分ほど。トースターでカリカリに焼くよりもこのふにゃふにゃ感が好きだった。名前はない。この名無しの創作料理を帰宅後はいつも一人で食べて...
  • 佐々木麦は君が好き、今日も -『麦本三歩の好きなもの 第二集』感想

    第一集の感想はこちら: 第二集とはいえ小説の根幹にある部分は前作から変わらないのでとくに細かな感想はないのですが、本作を読んだことで腑に落ちたところがあったのでこれは書いておこうかなと。 まず、私は三歩に滑舌をプラスして社会性・社交性をマイナスしたような結果ほぼ下位互換なので、三歩がいて世界が成立している、というさまは妙な言いかただけれどすごく安心するんですよね...
  • あなたの想いの額縁は、私がつくる -『額装師の祈り 奥野夏樹のデザインノート』感想

    冒頭からいきなりゲームの話なんですが、デレステの鷺沢文香ちゃんのソロ楽曲に「銀河図書館」というものがあるんですよ。 https://www.youtube.com/watch?v=AEmfBH2qj70 でね、その「銀河図書館」の歌詞について考察を書いた人がいるんですけど、それがめちゃくちゃ良いわけです。 「銀河図書館」の歌詞には「四角い空...
  • 月のケーキは甘くない!-『月のケーキ』感想

    奇妙な味わいという宣伝文句につられて手にとりましたが、いやぁ、なんの因果か直近で篠田知和基『世界植物神話』なんぞ読んでいたのでハシバミや金曜日がなにを意味するかとか、思いのほかわかるわかる。タイトルは「月のケーキ」だけど含意たっぷりでなかなか甘くなかった。感想ってかもうほとんど考察です。あたりまえのようにネタバレします。 月のケーキ 月の満ち欠けは周期的なものなので...
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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
読んだ小説の感想や考察を書いています。好きが高じて元小説家志望なので、一篇の物語のように心躍る記事が書ければ。ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれます。小説の他に哲学、美術、神話などの学術本も好きです。