【感想】
  • 人間という化物 -『化物園』感想

    恒川光太郎『化物園』を読んだので、諸々の感想を残しておこうと思う。 ブログに感想を書く、という行為が久しぶりすぎて今までどういうふうにやっていたのかを完全に忘れた。ので、最新記事やランキングからいくつか記事を読み漁ってみたが、作品によって文体が違いすぎる。なに? mugitterって私の知らないところで5人くらい別のライター存在してるの?? 文体といえば、たぶん今回の記...
  • 作家という病 -『盗作小説』感想

    ジーン・ハンフ・コレリッツ『盗作小説』(鈴木恵・訳)を読む。 かつてのベストセラー作家ジェイコブは、どうしても新作を書けずにいた。小説創作講座で教えるだけの日々に鬱々とし、受講生のエヴァンに怒りと嫉妬の炎を燃やしていた。授業を受ける意義がないとうそぶきながらも、彼の語る小説のプロットは素晴らしいものだったからだ。その三年後、ふとしたことからジェイコブはエヴァンが死んだことを知...
  • 忘れてないか?この娘だって、結局、ばかげたトリツカレ女だったってことをだよ。 -『トリツカレ男』感想

    去年の下半期から、全然読書をしていない。 書評で飯食ってるわけじゃないんだし、しなきゃいけないもんでもないんだけど、明確に原因はあって、把握はしてる。 今年は読書よりも創作の年だった。人生で初めて原稿用紙換算450枚超の長編小説を書いたり、そのあと自分史上最高品質の短編を書いたり。来年はこれを新人賞に送るだとか、もちろんインプットのほうも並行して、今年以上に挑戦の年にな...
  • あのバウムクーヘンは無事に岐阜へ届いたのか -『見知らぬ人』感想

    エリー・グリフィス『見知らぬ人』(上條ひろみ・訳)を読んだ。 イギリス産ミステリーということで、さすが、話のところどころで紅茶やビスケットが出てくる。思わずこちらも、ミルクティーなんぞしばきながら二転三転のフーダニットを楽しませていただきました。 直前にピーター・スワンソン『アリスが語らないことは』を読んで「あああああ!(こういう男を翻弄する美人)マジで嫌いだわぁ!(^...
  • ホラーとはなにか? – 宮田光『沼の国』

    胡仙フーシェンというキツネがいる。中国の民間信仰に登場する神通力を持ったキツネのことで、たとえば河北省滄州市の楽城県にあった県城の奎星楼には古くから胡仙がいると信じられている。この胡仙は酒を飲んで暴れたり不信心な者に危害を加えたりするとも、また良薬を与えたり盲人の目を見えるようにしてやるともいわれた。 同じように、私たちの国でも妖怪とは総じて凶事と吉事の側面を併せ持つ。まだまだ科学が...
  • 賢さは、情報を集める技術ではなく精査する能力に宿る -『自由研究には向かない殺人』感想

    ホリー・ジャクソン『自由研究には向かない殺人』(服部京子・訳)を読みました。あらすじに「ひたむきな主人公の姿が胸を打つ」とあって、他所でもそのあたりがよく挙げられていたので手にとってみたのですが、広告に偽りなし!次々と浮かびあがる容疑者たちや被害者の秘密、脅迫者の影に翻弄されながらも一生懸命立ちむかうピップには好感しかなかった。相棒となるラヴィとのやりとりも微笑ましい。続編はもちろん買います。 ...
  • 梶原恭介はオレステスだったのかもしれない -『マザー・マーダー』感想

    ネタバレ注意! 本記事は矢樹純『マザー・マーダー』の重要な部分について触れていますので、作品を既読である、またはネタバレを承諾する場合のみ閲覧することを推奨します。 矢樹純『マザー・マーダー』を読みました。あらすじに「歪んだ母性が、やがて世間を震撼させるおぞましい事件を引き起こす」とあったので5話編成の長編小説かなと思ったのですが、どちらかというと連作短編集でしたね...

    2022年3月17日

  • ……今私たちに必要なのは……萌え……防御線……ねじりほんにょ…… -『クロストーク』(上下)感想

    ネタバレ注意! 本記事は作者『作品名』の重要な部分または結末について触れていますので、作品を既読である、またはネタバレを承諾する場合のみ閲覧することを推奨します。 コニー・ウィリス『クロストーク』(大森望・訳)読みました。めちゃくちゃよかった。 どのくらいよかったかというと、上下巻、各500Pぐらいあるのを正味3日で読んだし、読んでないときもブリディと...
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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。