SF
  • 結局、プルデンシアってどうなるでんしあ? -『ホテル・アルカディア』感想

    ついにはあからさまに人目を避けるようになり、二週間ほど前から、敷地のはずれにあるコテージに閉じこもっているという。 (P12/L7~8より引用) ごきげんよう。ついにもなにも、常日頃人目を避けて部屋に閉じこもっている佐々木ン麦シアです。 というわけで、石川宗生『ホテル・アルカディア』を読んで思ったこと、感じたこと、考えたことなどプルデンシアになったつもりであれ...
  • 余白を考えるのが楽しくて9000文字を超えました。-『来世の記憶』感想

    私なんかほとんど毎日読書感想文を書いているんだぞ。 — 佐々木 麦 (@BLT691) August 24, 2017 2020年8月。今年も、自分のブログの人気記事一覧に読書感想文特集が急上昇してきたことで夏の到来を実感しています。学生のみなさんお元気ですか。こちら、ただの趣味でほとんど毎日読書感想文を書いている佐々木麦です。 読書感想文といえば頭を悩ませる...
  • 物語以上のことを求められる人に、私は彼女を託したい -『人ノ町』感想

    詠坂雄二『人ノ町』を読みました。詠坂雄二という作家が私にはさっぱりわからない。どうした。めちゃくちゃおもしろかったんですけど。2年前に読んだ『インサート・コイン(ズ)』はさぁ、もっとさぁ、よくわからなかったじゃん!あらすじ読んで興味を持ったけど作者名見たとき「あー……」と言ってしまった自分を殴りに行きたい。YAH YHA YHA歌いながら。 いわゆる雰囲気ゲーのよ...
  • 少女を大人にするもの -『薫香のカナピウム』感想

    上田早夕里『薫香のカナピウム』を読みました。前回『夢みる葦笛』の感想の最後で宣言したとおり、買ったきり本棚でねむっていた同作者の長編を救出です。ここは短編と長編の違いでもありますが、同じSFの括りでも本書は物語に起伏はさほど多くなく、主人公・愛琉の成長を軸に、どっしり腰を据えて読むような作品でした。 静かで、とても騒々しい 生態系が一変した未来の地球...
  • 不完全な葦でありたい -『夢みる葦笛』感想

    上田早夕里『夢みる葦笛』を読みました。文庫裏のあらすじに「「人間とは何か」を問う」とあって良書の予感はしたものの、目次を見たとき「これは挫折するかもしれない」と不安もよぎり。積ん読が尽きた頃にようやくおそるおそる読みはじめたのですが、あのね、最高におもしろかった。それでは本書を読んで考えたこと約1万文字、どうぞ。 人間と世界の本質を問う短編集 ある日...
  • 人間の巣観察キット -『半分世界』感想

    石川宗生『半分世界』を読みました。あらすじを読んだとき「一瞬にして19329人となった」という部分があまりに謎すぎて真顔で「好き……」とつぶやいてしまったので素直に購入。絶対にありえない状況でいやに冷静すこぶる真面目という小説全体の雰囲気がユーモラスで、そして、読んでいるとき私の頭の中ではアリ(人間)がせっせと巣をつくっていました。は?説明します。 見ろ!人がアリ...
  • 記憶よ、風となり牙となれ -『風牙』感想

    門田充宏『風牙』を読みました。書店で小説を物色してまわっているとき、たまたまある1冊の小説を手にとって、その中にはさまっていた新刊案内の広告から興味をもって書店何件かまわってようやく探しだして購入した、という、ちょっと変わった出会いかたをした小説です。深夜のファミレスであまりの衝撃に呼吸することを忘れ、言葉を失い、しこたま号泣することになるとは、このとき、私はまだ知る由もなかった――。 ...
  • 常識破りの美しさ 残り80% -『最後にして最初のアイドル』感想

    草野原々『最後にして最初のアイドル』を読みました。久しぶりに平積みではなく棚差しから見つけてきた1冊。初読の作家です。まずはタイトルに惹かれ、早川書房が出すタイトルっぽくないなと不思議に思いながら手にとるとあら表紙がかわいい。色彩の暴力に圧倒されながらあらすじに目を通すと「実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF」という文字。情報の大渋滞。なにこれは。絶対お...
Ranking
Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
読んだ小説の感想や考察を書いています。好きが高じて元小説家志望なので、一篇の物語のように心躍る記事が書ければ。ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれます。小説の他に哲学、美術、神話などの学術本も好きです。