SF
  • 記憶よ、風となり牙となれ -『風牙』感想

    門田充宏『風牙』を読みました。書店で小説を物色してまわっているとき、たまたまある1冊の小説を手にとって、その中にはさまっていた新刊案内の広告から興味をもって書店何件かまわってようやく探しだして購入した、という、ちょっと変わった出会いかたをした小説です。深夜のファミレスであまりの衝撃に呼吸することを忘れ、言葉を失い、しこたま号泣することになるとは、このとき、私はまだ知る由もなかった――。 ...
  • 常識破りの美しさ 残り80% -『最後にして最初のアイドル』感想

    草野原々『最後にして最初のアイドル』を読みました。久しぶりに平積みではなく棚差しから見つけてきた1冊。初読の作家です。まずはタイトルに惹かれ、早川書房が出すタイトルっぽくないなと不思議に思いながら手にとるとあら表紙がかわいい。色彩の暴力に圧倒されながらあらすじに目を通すと「実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF」という文字。情報の大渋滞。なにこれは。絶対お...
  • この空のむこうに宇宙人はいる -『それは宇宙人のしわざです 竜胆くんのミステリーファイル』感想

    葉山透『それは宇宙人のしわざです 竜胆くんのミステリーファイル』を読了。例のごとく、勧めてくる小説がことごとく私にハマらないことでおなじみの知人から「これは?」と書店で差しだされた1冊。表紙のデザインがめちゃくちゃ好みだったので二つ返事で購入したのですが、お、おもしろかった…。3時間読みふけってあっというまに完走してしまった。くっそー。  *:・゜。*:・...

    2018年2月16日

  • 過去に価値はあるか -『おふるなボクたち』感想

    中島たい子『おふるなボクたち』を読了。以前お茶漬けの話を書いたときに書店を1時間うろうろして棚差しから発掘してきたうちの1冊がこちら。言ってなかったけどもう2冊は『BAR追分』と記事にはならなかった『NNNからの使者 猫だけが知っている』でした。あの雑記書いたの11月ですって。「積ん読消化するのおっそ!」とか思った?私は思った。積ん読消化するのおっそ! こ...
  • 息苦しさはオーダーメイド -『かがみの孤城』感想

    辻村深月『かがみの孤城』を読了。昔『名前探しの放課後』を広告かなにかで見かけておもしろそうだなと興味をもって以来、私の中で〈興味はあるのになかなか読まない〉という位置づけになりつつある辻村作品。3年前ぐらいに『ぼくのメジャースプーン』を読んで、その前後にたしか『オーダーメイド殺人クラブ』も読んだことがあります。知人が過去に辻村作品を結構読んでいるらしく、本棚に何作品か置いて...
  • 『5まで数える』(松崎有理 著)

    昔から極度の人見知りだ。 小学生のときはみんなの前で音読や発表ができなかった。 きっと失敗して恥をかく、笑われる、と考えたら怖くて声が出なかった。 泣きだした私を飛ばして次の人へ。 「泣けば済むと思ってる」「なんでできないの?」 発表しなくても結局恥をかく。ますます人目を怖がるようになった。 なんでできないの? ...
  • 『横浜駅SF』(柞刈湯葉 著)

    子供の頃、 家族で出かける“特別な場所”の1つが横浜でした。 私の横浜での思い出は 定番の中華街や赤レンガ倉庫をさしおいてほぼ 山下公園と氷川丸と税関資料館に集約されます。 以前機会があって 中華街やラーメン博物館やコスモワールドなどを まわったときもどこかでは「違うな」と思っていて。 山下公園のベンチに座って ...
  • 『盤上の夜』(宮内悠介 著)

    半年前くらいのことですが、 ボードゲームで遊ぶ集まりに参加したことがあります。 ボードゲームといえば、将棋、チェス、あとはオセロ、 人生ゲームかモノポリーくらいしか遊んだ記憶がなく、 当時会場に行ったときは結構な衝撃を受けたものです。 おもしろいのですよ。 自分がイメージしたものを駒や粘土(!)を使って 他のプレイヤーに伝えて答...

    2016年2月29日

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
読んだ小説についてあれこれ考察するのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。