友情
  • 麻枝准知らない族が得たもの -『猫狩り族の長』感想

    今まで虚構を描いてきた。 初めて本当に思っていることを書きました。 書店で新刊を漁っているときにふと目に留まったのが帯に書かれたこの言葉で、それから、ただならぬ雰囲気の表紙、タイトル。麻枝准という作者は知らなかったけれど『CLANNAD』というゲームタイトルは方々で聞いていたので、知見を広げるため手にとってみたのですが……文字どおり、呆気にとられたとしか。 「譜面で見て弾いた...
  • 感想の思索、または詩作 -『坂下あたると、しじょうの宇宙』感想

    言葉について、小説について考える小説が好きだ。そんな理由で町屋良平『坂口あたると、しじょうの宇宙』を手にとったのだけれど、「好き」か「嫌い」かで問われたら答えるのが難しい。文体や展開に自分の考える「純文学っぽさ」がまんまあって、物語として見た場合に「おもしろかった!」とは言えない。言えないんだけど。 なんであたるの声だけ聞こえるんだ? おれたちの発する雑音に汚されても、こんなにハッキリし...

    2020年2月27日

  • 狸が恋なら熊は友-『シロクマ係長の奇跡』感想

    鈴森丹子『シロクマ係長の奇跡』を読みました。鈴森氏の作品は『さよならの神様』以来およそ1年ぶり。ああ、もう1年以上経つんだ、感慨深い。新シリーズがはじまったということはまさかポコ侍シリーズは終わっ……いや、そこらへん、明言されてないし。たぶん。終わってないし。というわけで 狸にゴリゴリの未練があるので正直なところ本書に期待をしすぎないように、とセーブしていたのですが、完全に杞憂だっ...
  • 人と人とはトオリヌケ キンシ -『トオリヌケキンシ』感想

    加納朋子『トオリヌケキンシ』を読みました。先々週くらいに書店へ行ったとき例のごとく知人に適当に数冊小説を見繕ってもらったのですが、そのうちの1冊がこれで、私も書架をまわっているあいだに気になった1冊。見れば作者は『カーテンコール!』の加納氏だし、私と知人どちらの目にも留まるということはこれまで一度もなかったので絶対に良作だろうと確信して買ったら本当に良作でした。 ...
  • きらきらした友情に恋をする -『ナイルパーチの女子会』感想

    柚木麻子『ナイルパーチの女子会』を読みました。前々から読もうかなと目をつけてはいたのですが、最初に手にとったときは文庫裏のあらすじを読んで断念してしまうなど、紆余曲折あって1~2ヶ月前ようやく購入に踏みきった1冊。ぎりぎりまで「自分にはハマらないかもしれない」と予感していたのですが、なかなかおもしろかったです。自分が信じるに値しない人間だと悟った瞬間。紆余曲折なんだったの? ...

    2018年6月6日

  • あなたは素晴らしい -『カーテンコール!』感想

    加納朋子『カーテンコール!』を読了。表紙と帯裏に印字されたあらすじに惹かれて手にとり、そういえば大学時代に友人が好きな作家の1人として名前を挙げていたなぁとなつかしく思いながら購入した1冊ですが、もう、最高によかった!最後には涙ドボドボこぼしていました。生涯本棚に収めること決定。今はもう連絡をとることできなくなってしまったけど、彼女はこれ読んだのかなぁ。「最高だった!他の作品も読む...
  • エンドロールまで席を立つな -『名も無き世界のエンドロール』感想

    行成薫『名も無き世界のエンドロール』を読了。『僕らだって扉くらい開けられる』を探していたときに見つけた1冊で、同じ作者だし、デビュー作らしいし、まぁ、これでもいいかなと妥協して購入したもの。結局本命も無事見つかってあちらを読了してから読むことになりましたけどね。作品にただよう空気の重さが違いすぎる。どうした。気圧低すぎて偏頭痛になったわ。 エンドロールまで...

    2018年1月31日

  • 息苦しさはオーダーメイド -『かがみの孤城』感想

    辻村深月『かがみの孤城』を読了。昔『名前探しの放課後』を広告かなにかで見かけておもしろそうだなと興味をもって以来、私の中で〈興味はあるのになかなか読まない〉という位置づけになりつつある辻村作品。3年前ぐらいに『ぼくのメジャースプーン』を読んで、その前後にたしか『オーダーメイド殺人クラブ』も読んだことがあります。知人が過去に辻村作品を結構読んでいるらしく、本棚に何作品か置いて...
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佐々木 麦 Sasaki Mugi
読んだ小説の感想や考察を書いています。好きが高じて元小説家志望なので、一篇の物語のように心躍る記事が書ければ。ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれます。小説の他に哲学、美術、神話などの学術本も好きです。