ほのぼの
  • 佐々木麦は君が好き、今日も -『麦本三歩の好きなもの 第二集』感想

    第一集の感想はこちら: 第二集とはいえ小説の根幹にある部分は前作から変わらないのでとくに細かな感想はないのですが、本作を読んだことで腑に落ちたところがあったのでこれは書いておこうかなと。 まず、私は三歩に滑舌をプラスして社会性・社交性をマイナスしたような結果ほぼ下位互換なので、三歩がいて世界が成立している、というさまは妙な言いかただけれどすごく安心するんですよね...
  • 最終巻なのに好きすぎて要領を得ない感想 -『おやすみの神様』感想

    本を開く=ドアを開けるだとしたら、靴をそろえもせずにほっぽって、ついでに靴下も放り投げて、語彙力とか読解力とか想像力とか御大層な名前のアウトプット能力全部脱いで襟とかゴムとかだるんだるんの部屋着に着替えてとりあえずベッドにダイブするような。 「この恨みは忘れないからね」 「この味は忘れないでござる」 (P32/L13~14より引用) あ~~~~~ _(:3」...
  • 日常小説に需要はあるか? -『傑作はまだ』感想

    「まだふっくらしてるよ。ここの大福、豆が本当にうまいんだ」 私が好きになる小説はいつも決まってなにかを食べている。物語のさして重要ではない場面で、丁寧に、とても美味しそうに。瀬尾まいこ『傑作はまだ』では大福が、主人公の加賀野こと〈俺〉と、生まれてから25年間一度も会ったことのない息子・智をつなぐある種のキーワード、いや、キーフードになっている。「人」を「良」くする、で「食べる」だ...
  • 佐々木麦は君が好き -『麦本三歩の好きなもの』感想

    20字以内で説明できる小説はいい小説なのだと聞いたことがある、と書かれているので、挑戦してみる。 好きなものをとても大切にしている人の話。 まさか本当に20字(ぴったり!)で収まるとは思わなかった。すげ。まぁ、これから感想に100倍ぐらいの文字数使うんですけどね。 筆名が「佐々木麦」なものだから、主にタイトル的な意味でずーっと気になっていて...
  • 私たちにはきっと「さよなら」の期間が必要だった -『おはようの神様』感想

    鈴森丹子『おはようの神様』を読みました。前作『さよならの神様』のタイトルに胸さわぎを覚えてからおよそ1年。大好きな〈ポコ侍〉シリーズが帰ってきました。待望の新作はやっぱり萌えたり笑ったり泣いたり、ときめきがとまらない1冊でした。泣いているとき、主に電車の中だったんですけどね。 おかえりの奇跡 1年前、『さよならの神様』というタイトル、そしてあのラストシーンを読ん...
  • この謎を哲学せよ -『塩見﨑理人の謎解き定理 丸い三角について考える仕事をしています』感想

    甲斐田紫乃『塩見﨑理人の謎解き定理 丸い三角について考える仕事をしています』を読みました。新刊コーナーの棚で見かけて、あらすじの中に「哲学」という単語があった、という理由だけで軽率に買った1冊だったんだけど文体もストーリー展開も思っていたよりずっとやわらかくほのぼのとしたミステリーだった。楽しく読めました。 親しみやすい哲学系小説 「――丸い三角、赤...
  • 誰かの人生を共有するのは楽しい -『強運の持ち主』感想

    瀬尾まいこ『強運の持ち主』を読みました。ここ最近心がじんわりあたたまるような話がつづいているので、同じテイストのものが読みたいなぁ、と書店を物色しているときに平積みで見つけました。表紙のイラストと色合いがめちゃ好み。瀬尾氏の作品は学生の時分に『図書館の神様』を読んだことがあったかな。まだ読解力ポンコツ時代だったのであまり作品を理解できず、ふわふわした印象に留まっていた作家だったので...
  • 狸が恋なら熊は友-『シロクマ係長の奇跡』感想

    鈴森丹子『シロクマ係長の奇跡』を読みました。鈴森氏の作品は『さよならの神様』以来およそ1年ぶり。ああ、もう1年以上経つんだ、感慨深い。新シリーズがはじまったということはまさかポコ侍シリーズは終わっ……いや、そこらへん、明言されてないし。たぶん。終わってないし。というわけで 狸にゴリゴリの未練があるので正直なところ本書に期待をしすぎないように、とセーブしていたのですが、完全に杞憂だっ...
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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
読んだ小説の感想や考察を書いています。好きが高じて元小説家志望なので、一篇の物語のように心躍る記事が書ければ。ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれます。小説の他に哲学、美術、神話などの学術本も好きです。