最近は岡田斗司夫の動画をはじめ、五十嵐律人『原因において自由な物語』だったり久坂部羊『R.I.P. 安らかに眠れ』だったり、どうも死について考える機会が多かった。

 

思うに、私たちが死をおそれる理由は

 

①死に伴う痛みがこわい
②今していることができなくなるのがつらい

 

この2点に絞られるんじゃなかろうか。つまり、苦痛不満である。

 

おそらく①は本能的なものなので人間にかぎった話ではないだろうけれど、②は「死後」という悪魔の証明(死んでも世界はつづくし自分は存在しつづけるかもしれない・・・・・・)からくる理性的なもので、人間特有の恐怖――あるいは愚かさといえる。

 

死への恐怖を肉体←→精神のライン上であらわすと、その性質には肉体の限界を自覚するほど本能的、精神の限界を自覚するほど理性的な側面が増していくのかもしれない。どちらへブレても結局最後に待っているのは恐怖なので、死への恐怖そのものから逃れたい場合はこの天秤のちょうど中心でバランスをとりつづけなければならない。

 

個人的に、突きつめるとたどりつくのは筋トレ睡眠だと思う。

 

本能的な恐怖を克服するためには肉体を、理性的な恐怖を克服するためには精神をそれぞれ鍛えなければならない。筋トレは言わずもがな、睡眠はつまり疑似的な死をくりかえすことで本当の死に備えるという哲学だ。

 

おそらくこれがもっとも身近な、人間誰しもいつかは死ぬということを前提に可能なかぎりこの恐怖を軽減するためのリスクヘッジである。

 

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佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。