dog friend photo

 

 

 

 

先日、新しいリュックを購入しました。

 

ネットで一目惚れしたものなんですけど、
なんと 猫 耳 フ ー ド 付き!(*´Д`*)

 

昔からなんでかフード大好きなんですよ。
年中パーカー着ていたいぐらい好きです。
これでいつでもフードと一緒です!幸せ!

 

それにしても。
以前から思っていたことなのですが、
ここ数年〈猫〉が推されていませんか?

 

猫耳をはじめ猫モチーフの雑貨も増え、
猫雑貨専門店なるものもあるようですし。

 

一方で、
犬耳や犬モチーフの雑貨は見かけませんね。
犬雑貨専門店もまだ見たことがないですし…。

 

ちなみにどちらかというと私は犬派。
犬耳も犬尻尾も好きなので犬雑貨にも期待!

 

そんなわけで今回は犬にまつわるおはなし。
倉狩聡さんの『今日はいぬの日』を読了しました。

 

 

 

***

 

食事を忘れられ、散歩もご無沙汰、ましてやブラッシングなど…。
飼い主一家に「犬」と呼ばれ虐げられる日々を過ごしていたヒメ。

 

流星群の夜、
彼女は庭で見つけた不思議な石で人語を話せるようになる。

 

「家族よりわたしの方がずっと柔軟。
あっちはわたしが言ってることを理解しようとしないんだもん。
違いはきっとそこだね。わたしはきっと、世界で一番賢い犬」

 

“愛されること”を忘れた彼女は、
いつからか寂しさや悲しさを怒りと憎しみに変え〈復讐〉をはじめる。

 

飼い主一家の末っ子・雅史。
「人間が笑ってくれると嬉しい」と語る犬・ミコト。
ミコトを我が子であり親友であり片割れのように想う潤一。
動物たちの殺処分を担当する施設で働く獣医師の小高。

 

犬を愛する人間。
犬を虐げる人間。
人間を信じた犬。
人間を恨んだ犬。

 

人間と生きることを選んだ祖先の血。
人間は信じるに値しないという事実。

 

〈世界で一番賢い犬〉は復讐の果てに何を思う。

 

***

 

 

 

犬をペットと呼ぶ人間にはホラーであり、
家族と呼ぶ人間にとってはとても悲しく切ない物語です。

 

とは、帯に掲載された書店員さんの言葉。

 

犬を飼っている自分はどんな気持ちで読むだろう。
試されるようにおそるおそる読んでみたのですが…。

 

彼らがヒメの毛を嫌うように、ヒメにも忌み嫌うことがある。
犬、と言われることだ。
(中略)
明らかに、彼らと顔や体つきが違うヒメを蔑むための単語だ。
好きになれるはずがない。
『昔はそんな呼び方、しなかったくせに』

 

なるほどな、と思いました。

 

「ねえ小高さん、犬と人間が比較になりますか?
俺の弟は、あいつの犬と同じですか?」

 

ヒメに同情する者もいれば周防に同調する者もいるでしょう。

 

どちらが正解か、犬も人間も、定義はできません。
人間にも犬にもそれぞれに“正解”があるでしょうから。

 

そしてヒメの“正解”をどう解釈するかによって、
物語はホラーにも悲しいおはなしにも読めるのです。

 

『悪意には悪意、
好意には好意が返ってくるものじゃないか。
おれは人間が笑ってくれると嬉しいんだよ。
たとえ知らない人でも』

 

 

 

ウチの愛犬の話をさせてください。
先代の愛犬が亡くなったときのことです。

 

後輩犬にあたる彼女は、
その日1日中彼の亡骸に寄り添っていました。
泣いている私たちのことを不安げに見ていました。
普段あんなに元気な彼女が、そのときは、静かに。

 

犬は人間の心が読める優しいコたちなんだと思います。
だからこそ悪意をむければそれが如実に伝わってしまう。

 

悪意を感じとったヒメが人間に悪意を返す。
誰が彼女の行いを責めることができるでしょう。

 

そんなことしなくていいんだよ。
そんなの自分が苦しくなるだけなんだよ。

 

作中何度「やめて」と泣きながら訴えたことか。
ヒメはただ“愛されること”を忘れてしまっただけなのに。
きっと、寂しくて、悲しくて、愛されたいと思っただけなのに。

 

「人間が動物に関わること自体、傲慢なんだ」

 

心が読める彼らは、
人間の傲慢にだって気づいているのかもしれません。
自分が癒しを求められ〈飼われている〉のだということ。
それでも彼らが人間との共存を受けいれるのはなぜか。

 

 

 

悪意には悪意が返ってくる。
好意には好意が返ってくる。

 

癒しを求める私たちに、それは、返ってきているのかも。
ならば私たちも彼らの傲慢に応えなければなりません。

 

美味しいごはん、あたたかい寝床、一緒に遊ぶ時間。

 

さて、今日は大切な家族をどんなふうに癒しましょう?

 

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。