某日、釣りに行ってきました。

 

現場に到着したの20時くらいだったかな。私自身は釣りの知識や技術があるわけではなく何度目かのにぎやかしみたいなものでしたが、今回は穴釣りということで、竿の先に鈴をつけて海底に糸を垂らしたまま鈴が鳴る=魚がかかるまでしばらく待機――これを明け方までつづけます。

 

夏だし夜だし海だしで「涼しいんだろうなぁ」くらいにタカをくくっていたら結構冷えました。もともと血行が悪くてさむがりなのもあるけど半袖が耐えられなくて途中からゴミ袋をかぶる始末。図らずもゴミ袋はめちゃくちゃガサガサうるさいけどあたたかいというサバイバル知識が身につきました。やっぱり夏でも旅先には長袖のしっかりした上着が1枚は必要。海をナメてはいけない。いや、しょっぱいからじゃなくて。やかましいわ。\ツクテーン!/

 

 

 

しばらくは待機、という時間が長かったので合間にアソビゴコロ制作の「ウセモノターミナル」という脱出ゲームをプレイしました。

 

“失くしものたちの終着駅”。寂しげでしかしあたたかなこの世界観がたまりません。キャラクターデザインも◎。他の釣り人もいたので無音でプレイしましたがあとでBGMを聴いてみたらどこかなつかしい気持ちになるような落ちつくサウンドだったのでもうどれをとっても100点満点です。基本的にはサクサク進みますがところどころ手間がかかったり考える場面もあってこの緩急も楽しかった。

 

大山淳子『あずかりやさん』や岩岡ヒサエ『幸せのマチ』(漫画)などを読んでいるとモノには想いが宿るという考えかたに肯定的になるので、大切なものだけを長く持ちつづけていく人生でありたいなと、最後には思わせてくれました。STAGE1,2とSTAGE5,6が好き。

 

 

 

 

 

釣果ですが、穴子2匹とタコが1匹釣れました。まさかの穴子。まさかのタコ。まぁ私が釣ったわけじゃないんだけど、釣れたときは横で思わず「ええ…」と声が出ました。いやだって穴子とかタコとか“釣れる”ものだと思わないじゃん。困惑。

 

一応私もボウズということはなくて、並行して私が一度だけ遠投を担当した竿があって、そっちを引いてもらったら小さなハゼが1匹釣れていました。これは小さすぎたのでリリース。自分で糸を巻いたわけでもないしリリースしたので釣れたという実感がなく「ハゼ釣ったじゃん」と励まされても、しかしながら、未だに私はあの日をボウズだったと認識している。私も穴釣りのほうでなにかを釣りたかった。

 

とまぁそんなわけで、明け方3時か4時頃ぼちぼち荷物をまとめ、あたりがすっかり明るくなった頃にようやく帰宅。ベッドへ直行して一瞬でねむりに落ちました。「泥のように」という表現はああいうときに使うんだろうなきっと。

 

穴子とタコはそれぞれ煮穴子と刺身にして夕食でいただきました。うなぎの食感が苦手で、穴子もそんなものだろうという思いこみからお寿司とかでもなんとなく穴子は食べないんですけど、煮穴子、すっごく美味しかった!タコも!めちゃくちゃもぐもぐしていたものだから「タコそんなに好きだったっけ?」と笑われました。釣った本人よりも食べた気がする。港に住んでる猫とかってたぶん日頃こういう気持ちで生きてる。すまんな(もぐもぐ)。

 

 

 

締めにHuluで「ラ・ラ・ランド」を観ました。就寝まで暇だったので。釣りまったく関係ないけど。

 

こうなるんだろうな、こうであってほしいな、という展開にならず、しかもこれはこれできっとよかったんだと思えるような結末だったのでびっくりしました。ミュージカル映画という時点で確実にフィクションであるはずなのに、下手したらそこらのフィクションよりもよっぽど「夢」というものに対して現実的で、なるほどこれは公開時話題になるわけだと納得。おもしろかったです。

 

 

 

 

というわけで、釣りレポと見せかけて、釣りに行ったらモノを大切にしようという気持ちと夢を抱きつづけることのきらめきと難しさを学んだという小話でした。釣り全然関係なかった。まともな釣りレポを期待していた人は見事に釣られたというわけだ。わっはっは。

 

お詫びにあの日バイバイしたハゼを載せておきます。見事な曲線美。こちらからは以上です。

 

 

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
読んだ小説の感想や考察を書いています。好きが高じて元小説家志望なので、一篇の物語のように心躍る記事が書ければ。ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれます。小説の他に哲学、美術、神話などの学術本も好きです。