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【お知らせ】

こんにちは、2年前の記事のクオリティーに絶賛恥ずかしくなっている筆者です。このたび「読書感想文におすすめの小説5選【2018年版】」を書きましたので先に宣伝しておきます。同年上半期+7月のハイライトを兼ねており私が実際に読んでおもしろいと思った小説の中から読書感想文が書けそうな5冊を選出しているのでどちらかといえばこちらを参考にするのが得策かと思われます。どちらを読むか、あるいはどちらも読むかは皆様の判断に委ねますが、2016年版も2018年版も何卒よろしくおねがいします。

2018年8月9日 麦

連休前に書こうと思っていたこの記事、ウダウダしていたらやっぱり夏休み開幕後のUPになってしまいました。スロースターターなのは学生時代から変わらないようだ…いや、だけど夏休み中にUPしただけ偉いでしょう?私が知っている人で「やってあるけど持ってくるのを忘れた」と言い続けやっていないことをうやむやにした輩がいてだな。

 

さて、当記事をご覧になっているということは、学生諸君、夏休みの宿題・書感想文にお悩みのようですね。わかる。夏休みの嫌いな宿題ツートップは自由研究と読書感想文だよね。読書感想文となるとあまり好みを丸出しにもできないし、書店にならぶ課題図書は肌に合わないし、たとえ読書が好きでもなかなか扱いが難しい。

 

なので、今回はそんな悩める学生さんたちのために読書感想文に使いやすい本を独断と偏見で5冊選んでみました。小説、新書、漫画となるべくジャンルはバラけるように考慮しつつ別々のアプローチで攻められるように厳選したラインナップです。

 

また、読書感想文もとい読書が苦手な人にも参考になるよう、

 

・読みやすい
・ページ数が少なめ
・物語のテーマがわかりやすい
・登場人物が多い(共感できる人物を探しやすい)

 

以上の要素がどれか必ず含まれていることを前提条件にしてあるので、まだ本選びに悩んでいる学生さんは参考にしてみてください。

 

 

 

時事ネタから話を広げてみる -『これからの誕生日』

不幸な交通事故でたった1人生き残った少女を、弟、叔母、担任教師など6人の視点から見つめる作品。

 

2011年3月11日に発生した東北大震災をはじめ、最近でも熊本地震など大きな震災が続いている日本。デリケートなテーマですが、今だからこそ、恐れず素直な気持ちで向きあうべきテーマでもあります。

 

解説によると、この本が最初に出版されたのは東北大震災からわずか3ヶ月後。あの時期にこの本が出版されたということ。その意図を、ぜひ読んで、感じて、考えてみてください。

 

弟視点のおはなしの最後、みんなでかき氷を食べるシーンでは涙腺崩壊しました。

 

 

 

 

共感する人物を探してみる -『市立第二中学校2年C組 10月19日月曜日』

市立第二中学校2年C組の生徒たちの、なにかが変わりそうで、たぶんなにも起きない1日。

 

このおはなし、全37章、なんと主人公は38人!正真正銘C組のクラスそのものが1つの物語となっています。

 

学校に行きたくない子がいれば、学校で人知れず恋をする子もいる。勉強や偏差値のことで焦っている子もいる。平凡で静かな、彼らだけの“椅子取りゲーム”。このクラスの中に、いつかの、あるいは、今のあなたがいるかもしれない。もしかするとそこにいるみんな全員があなたかも。

 

さぁ、1番共感する人は誰だろう。

 

共感したわけでもないのになぜか前髪が決まらない瑞希ちゃんが印象に残っています。

 

 

 

 

有名な作品を独自に解釈する -『あらしのよるに』

嵐から逃げこんだ小屋で出会ったオオカミとヤギ。おたがいの正体を知らないまま意気投合した2匹は、「嵐の夜に」という合言葉を決めてまた会うことに――。

 

もともとは絵本だけれど、国語の教科書に載っていたり、2005年にアニメ映画化もされたので知っている人も多いはず。絵本版は何冊かまたぎますが小説版なら1冊で最後まで読めるのでこちらがおすすめ。余談ですが私が高校生のときに読書感想文で使った本です。

 

食う者と食われる者。一見シンプルなテーマのようで、シンプルだからこそいろんな観点に置きかえて考えることができるので書きやすい題材だと思います。自分なりの解釈を施して新しい『あらしのよるに』を見つけてみてください。

 

ちなみに私は外国人とのつきあいかたについて書きました。

 

 

 

 

人じゃない者の気持ちを考えてみる -『ケモノみち』

学校によっては漫画OKのところもあるかもしれないので一応。動物園で働くことになったトラブルメーカー 晴子のおはなし。

 

動物園ってどんなところだろう。かわいい動物がたくさんいて一緒に過ごせるのが羨ましい?珍しい動物のお世話ができて楽しそう?夢にあふれたテーマパーク?…残念ながら動物園だって会社経営。「かわいい」だけでは動物たちは食べていけない。

 

ライオンが檻から脱走してしまったら殺す。人に心を開けないゾウは檻から外へ出さない。育児をしないキリンの母親は子から離されてしまう。――人間のために、人間が下した決断に、動物たちはそのときなにを思うのだろう。“におい”で動物の気持ちがわかる晴子は彼らを救えるのか。

 

全4巻と巻数的にもサクッと読めます。

 

 

 

 

物語に頼らず自分の頭1つで勝負!-『プチ哲学』

人の数だけ事情もあるというもの。とにかく読書感想文を早急に終わらせたい短期決戦型の学生さんにはとりあえずこれ。2コマ漫画と10行程度の解説だけでポンポン進みますし、なんといってもタイトルの「哲学」で頭イイ感も出せる、たぶん。

 

全31章、ここからおもしろいなと思ったものを1つ選んで、あとは自分の意見をまとめていけばノルマも結構あっというまにこなせるのでは?こういうのは自身の日常生活や経験に絡めるのがコツ。たとえば、10章「キツツキの理屈」では解説部分に、

 

私たちは、ある事を巧みに証明されると、その内容よりも、説明の巧みさに納得したような気分になってしまうことがあります。

 

とありますが、YouTubeやニコニコ動画を視聴していると、荒れているときって必ずコメント欄に「じゃあお前がやってみろよ」という擁護派の煽りがあるじゃないですか。あれを思いだしました。あくまで受け手としての感想を「作り手になって考えろ」というのはなんだか話が違う。違うのにもっともらしく賛同する者たちがいる。詭弁にごまかされないというテーマは普段からSNSやインターネットを利用する身としては考えさせられるものがありました。

 

実際に文字にしてみると情報や感情が整理されて、最初に自分が思っていたことと全然違う考えにまとまったりすることがあったりもして、考えごとって結構楽しいので物語を読むのは苦手という人はお試しあれ。

 

 

 

 

読書感想文とは本を通した“自分語り”である

以上、読書感想文に使いやすい本5冊の紹介でした。

 

読書感想文の攻略法は本を自分に“よせる”ことだと思います。上手く説明できませんが「本にこう書いてあるから自分はこう思った」ではなく「自分はこういう人だからこの本に共感した」というように自身の経験や価値観に本を合わせるんです。国語や読書感想文というのはよく作者や登場人物の気持ちを訊かれますが、自分の気持ちを説明するほうが誰だって簡単ですよね。だから照準は“自分”に合わせると書きやすい。

 

読書感想文は「紹介文」ではありません。内容や登場人物を無理に褒める必要はないのです。本を介した“自分語り”ぐらいのつもりであまり思いつめずにやりましょう。学生諸君の健闘を祈ります。

 

 

2017年8月1日に加筆修正しました。

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
読んだ小説の感想や考察を書いています。好きが高じて元小説家志望なので、一篇の物語のように心躍る記事が書ければ。ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれます。小説の他に哲学、美術、神話などの学術本も好きです。