• 人が変われば価値も変わる -『水上博物館アケローンの夜』感想

    蒼月海里『水上博物館アケローンの夜』を読みました。タイトルから察するに博物館が舞台ということで、これは趣味のひとつが美術館・博物館へ行くことである私が見逃すわけにはなるまい、と読んでみたら、東京は上野にある東京国立博物館が出てきました。しまった上野駅の明正堂書店で買えばよかった。秋葉原の有隣堂で買ってしまった。しかも私が好きなのはとなりの国立科学博物館。微妙にズレた位置から手にとり...
  • 大切なものを守るために -『レオナルドの扉』感想

    真保裕一『レオナルドの扉』を読みました。歴史冒険小説…おお、今までさっぱり読んでこなかったまったくの新境地。我ながらよく読もうと思ったよなこれ。歴史とか苦手を通りこしてむしろ興味関心まったくなかった分野なのに。「好き」の反対は「嫌い」じゃなくて「無関心」なんだと前に兄が言っていたけれど、それを読もうとする気概。ショタの力ってすごい。あ、表紙のショタに惹かれて手にとったのバレちゃった...
  • 今がつらいときに読んでほしい心の避難場所5選

    最近話題の漫画、コナリミサト『凪のお暇』1巻を読んだのですが、諸々のトラウマがよみがえり心がぺしゃんこになりました。目は漫画を追っているはずなのに頭の中は物語を無視して各時代の自分たちが盛大な懺悔大会をはじめてしまうので、買ったその日以来読んでいない。今後も読める気がしない。 もうすぐ5月か、と思ったときまっさきに『凪のお暇』が脳裏をかすめたのは、たぶ...

    2018年4月26日

  • mybest様で記事を書かせていただきました

    mybest様(https://my-best.com/)で記事を書かせていただきました。 今回のリストは「小説好きブロガーがおすすめする青春小説10選」!過去の記事を吟味しながら、「青春」という言葉に惑わされることなく大人も楽しめる〈少年少女たちの繊細な心の揺らぎを痛いほどに感じられる瑞々しい青春小説〉として厳選した10冊を紹介しました。 各本、物語のあらすじ...

    2018年4月24日

  • 恋が溶けたあたりまえの底 -『完璧主義男に迫られています』感想

    桜川ヒロ『完璧主義男に迫られています』を読みました。書店をぶらぶらしているときたまたま目にして、タイトルを二度丁寧に読み、「嫌すぎる」とちょっと笑ってしまったので購入。まさかのラブコメ。恋愛小説は普段は滅多に読まないんだけど春は無性に恋愛小説とか読みたくなっちゃいますね。去年か一昨年あたりもやっぱり春に恋愛小説でキュンキュンしたくなって、でも読んだのが山本渚『吉野北高校図書委員会』...

    2018年4月20日

  • ジャングルの奥にあったもの

    !ネタバレ注意! 本記事には映画「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」のシーンやセリフに触れる記述がございます。結末などの重要なネタバレにはなりませんがあらゆるネタバレを完全にシャットアウトしたい方は閲覧しないようご注意ください。以上のことに同意していただける場合のみ記事をお読みください。 先週末、映画「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」を...

    2018年4月14日

  • 問.石ころを動かすのはなにか答えなさい -『お任せ!数学屋さん3』感想

    向井湘吾『お任せ!数学屋さん3』を読了。お待たせしました!『お任せ!数学屋さん2』からおよそ2年ぶりのシリーズ完結編です。前回『あずかりやさん』を読んだときに「そんなことよりポプラ社は数学屋さん最新作の文庫化をだな…」と内心文句を垂れながら検索したら2017年11月には文庫化されていたという。知らなかっただけという。文庫化を待っているとこういうこと(文庫化するあいだに忘れている)が...
  • ミミズには心臓が7つもある

    2週間前――先月末の話になるのですが、東京・上野にある国立科学博物館で開催中の特別展〈人体 -神秘への挑戦-〉へ行ってきました。人体というものに興味があるとか詳しいというわけではなかったのですが、ポスターを見かけるたびどうしてか気になってしまって、実際に行かれた方の感想も後押しとなって、そういう話をふったら知人が「じゃあ行く?」と軽率に誘ってくれたのがトドメとなってとうとう本当に行ってしま...

    2018年4月6日

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。