child book photo

 

 

 

10月はじまりの手帳が欲しいなと思って
このところよく雑貨屋をまわるのですが、
最近はディズニープリンセスのグッズが多いですね。

 

ディズニーに関係なく
アリスが流行っているのはなんとなく知っていましたが、
そこらへん疎いので『眠れる森の美女』のオーロラ姫が
ああいうビジュアルだったということを先日知りました。

 

私は昔から『わんわん物語』とか『バンビ』とか…、
最近だと『ズートピア』など動物作品が好きなので、
王道モノの作品はほとんどまったく知らないんです。

 

ディズニーに関係ありませんが、
子供の頃は私『アメリカ物語』というのが好きだったそうです。
兄としょっちゅう本編のセリフを言いあって遊んでいたそうで。

 

覚えてないなぁと思って調べてみたら、
やはり動物作品だったでござる。

 

さすが私ブレない…!
内容全然覚えてないからまた観たいなぁ。

 

というわけで、
今回はプリンセスのおはなし。
クリストファー・ヒーリー氏
『プリンス同盟 プリンス・チャーミングと呼ばれた王子たち』読了です。

 

って、主役プリンスのほうかーい!( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン

 

 

 

容赦ないリアル設定がおとぎ話を襲う!


 

舞踏会で運命の出会いを果たしたエラ(シンデレラ)と、
プリンス・チャーミングことフレデリック王子。

 

しかし、
ひ弱すぎるフレデリックとの日々に飽きたエラは城を飛び出す。

 

泣く泣くエラを追うフレデリックは、
様々な事情(あるいは失敗)から同じく国を出た王子たちと出会う。

 

一人目は、
ラプンツェルを助けそこなった乱暴者・グスタフ王子、
二人目は、
眠り姫との結婚を望まない自意識過剰なリーアム王子。
そして三人目が、
白雪姫をキスで目覚めさせたものの、
人間とコミュニケーションが取れない変わり者・ダンカン王子。

 

4人のダメ王子たちは「プリンス同盟」を結成し、
姫と仲間と国、そして真の英雄になるために、
史上最悪の魔女との戦いに挑む!

 

※あらすじはホーム社の特設サイトより引用しました。
http://www.homesha.jp/p/prince_domei/

 

 

 

以前読んだ『これは経費で落ちません!』に
はさまっていた広告で興味を惹かれて購入しました。

 

あらすじを読んでいただいてお察しのとおり、
設定がもうなんていうか妙にリアルで容赦ないです。
王子とかいうチートキャラが人生チートじゃなくてメシウマです。
男性のみなさんはぜひこれで「皆人間である」と元気出してください。

 

表紙(作中にも挿絵として点在)のイラストは
最初これといって意識していませんでしたが、
彼らの人となりがわかってくるといいですね。
特徴を捉えた味のあるおもしろい絵で私は好き。
‎例の“眠り姫”の作画めちゃくちゃ笑いました。

 

文体は、
「 」のあとの“~と○○は言いました”がとにかく目につく。
気になってしまいますがこれは翻訳本あるあるでしょうかね。
地の文章が終始〈です・ます調〉なのは雰囲気を守っていて◎。

 

キャラクターはバランスがよかったです。
頭脳派・脳筋・ナルシスト・電波系とRPGのパーティかと(笑)。
脇を固めるプリンセスたちもみんな賢くたくましくていいですね。
種族の特徴などにも小ネタが書いてあってニヤリとさせられます。

 

構成は、
中だるみというか助走が長すぎる気もしますが…。
20章以降の展開が熱くてこれは許さざるを得ない←

 

 

 

4人のダメ男(王子)から学ぶ英雄学


 

本作は4人のダメ男たちが
真の英雄を目指すおはなしなわけですが、
ところで“真の英雄”とはなんでしょう?

 

高い地位に立つこと?
多くの名声を得ること?
偉業を成し遂げ栄誉を欲しいままにすること?
世界一美しい姫を妻に迎えることでしょうか?

 

彼らはそれらほとんどを手にしていましたが、
彼らがロクな目に遭っていないことは本編を読めば明白です。

 

改めて、
「プリンス・チャーミング」という言葉に注目してください。
「プリンス・チャーミング」とは作中このように語られています。

 

チャーミングは名前ではなく、
“魅力的な”という言葉の形容詞なのです。

 

言われなくてもわかると怒られそうですが、
じつはこれがとっても大事なことなんです。

 

「魅力的な王子様」とは、
「王子様」であることではなく「魅力的」であることが大事なんです。
ならば先ほど挙げた英雄の定義はまったく的外れということです。

 

では、
上記を抜いた彼らに一体どんな魅力があるでしょう。

 

ヒントは〈誰にでも長所と短所がある〉ということ。
そしてなにを魅力とするかは人それぞれということ。

 

私は最初、
リーアム以外まともなのいないオワタwwww
という印象で特にグフタスとかむしろ嫌いだったんですが(笑)
彼が“真の英雄”になったとき思わずウルッときてしまいました。

 

前述したようにやや助走の長いおはなしではありますが、
彼らがいつ・どのように“真の英雄”になったのか――。
男女問わずぜひ実際に読んで確かめてみてほしいですね。

 

 

 

おとぎ話は女の子だけのもの?


 

そうはいっても、

 

いやいや俺男だしそういうのは…。
私も子供じゃないしそういうのはもう卒業!

 

など、
「おとぎ話」と聞いただけで難色を示す人もいるでしょう。

 

だけどこれ、
本当に夢見がちな女の子たちが読むだけでいいのだろうかと。
むしろ成人してからおとぎ話を読みはじめた私は思うのです。

 

ひ弱で臆病、典型的な坊ちゃん体質のフレデリック。
力はあってもプライドが高く自制心のないグフタス。
剣の腕もあり民を想うも自意識過剰気味なリーアム。
運がよくても空気は読めない不思議ちゃんのダンカン。

 

ほらよく見てください。
実際みなさんのまわりにいませんか?こういう人。
なんなら自分にちょっと当てはまっちゃたりしませんか?

 

子供に聞かせるおとぎ話のように、
すべてがすべて「めでたしめでたし」では終われない。

 

それを知っている大人だからこそ、
この容赦ないリアルな設定で彼らを見てほしいんです。
笑って泣いて嫌いにもなるしついつい応援もしちゃう。
こんなおもしろい物語を女子供だけに読ませるなんて損ですよ。

 

 

 

訳者あとがきによると
むこうではすでに三部作として続編が2冊刊行済。
日本でも早く読めるようになるといいな…気になります!

 

余談ですが、
先ほどあらすじを引用した特設サイトには
書籍情報だけでなく作中の挿絵のチラ見せ、
原画公開、吟遊詩人による(!)紹介動画も
あるので興味があればぜひ見てみてください。
原画すごくかわいかったです!ダンカン(^p^)

 

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
読んだ小説の感想や考察を書いています。好きが高じて元小説家志望なので、一篇の物語のように心躍る記事が書ければ。ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれます。小説の他に哲学、美術、神話などの学術本も好きです。