liquor photo

 

 

 

雰囲気に酔う、ということが多々あります。

 

鼻歌を唄っていると突然感極まって涙が出てきたり、
誰かと電車で遠出すると紅潮して饒舌になっていたり、
グループで飲むとたった1杯のカクテルでネジが飛んだり←

 

思うに、
酒が酔わせるのはあくまで「体」のほうであって。
「心」を酔わせるものが別にあるんじゃなかろうか。

 

酒には徐々に慣れてきたものの、
別次元で酔わせてくる“雰囲気”には未だ対抗できない。

 

いわゆる〈飲みサー〉小説を読了した途端、
週末はしこたま飲みたいなぁとか思うあたりもうね(呆)。

 

森晶麿先生『花酔いロジック 坂月蝶子の謎と酔理』読了です。

 

 

 

すい、すい、すいすいすいすい、酔えば素敵な理が見える。
すい、すい、すいすいすい研、飲めばあなたも理が見える。

 

酒を飲むがために飲む――。
正真正銘の飲みサー〈酔理研究会〉を舞台に、
酒と恋と謎に酔いしれる青春恋愛ミステリーとのことですが。

 

思っていたより淡々とあっさり終わってしまった印象。
酒でたとえると…む、なんだろう、1杯目の生ビール?

 

黒猫シリーズが癖のある作品(褒め言葉)だからなんだろうか。
物足りないというか拍子抜けというか良くも悪くも「大衆小説」。
黒猫シリーズと偽恋愛小説家しかまだ読んでいないのですが。
(でもそれらがあまりにも他の小説と一線を画しているから好き)

 

神酒島先輩の講釈に黒猫や夢センセの雰囲気を出しつつ、
読みやすさに重点を置いて癖(褒め言葉)を抜いたように見える。

 

まぁ角川文庫だものね。
(※角川文庫は良い青春小説揃えてるという個人的イメージ)

 

連作短篇はいつも1話ずつ感想を書いているのですが、
個々に特筆すべき感想が浮かばないので(ごめんなさい)。

 

謎もシンプルであっさりと、ただし恋愛はじれったい、とだけ。

 

神酒島先輩の講釈シーンは全部好きです。
酒飲みながら延々と先輩の講釈聴いて勉強したいです。
あとスイ研のやりとりはとても大学生で何度もクスッとなりました。

 

今 週 末 は し こ た ま 飲 み た い ( ^ p ^ )

 

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。