• 10㎝動かすだけで世界は変わる -『僕らだって扉くらい開けられる』感想

    行成薫『僕らだって扉くらい開けられる』を読了。書評コミュニティサイト「本が好き!」で見かけてなにこれおもしろそうと気になっていた1冊。なかなか巡りあえなかったのですがこのあいだようやく見つけたと思ったら単行本でした。盲点だった。文庫だと思ってた。なんで?初読の作家で単行本かぁ~と最初は躊躇したものの「相手を金縛りにできる!!!でも力を使うほどハゲる」という帯文句に耐えきれず購入。結...
  • サーカスは“非現実的”な世界だろうか -『サーカスの夜に』感想

    小川糸『サーカスの夜に』を読了。去年の夏頃…たしか旅行の直前、道中で読むのに『黒猫シャーロック ~緋色の肉球~』とか『サヨナラ、おかえり。』を買ったときに一度出会っていて、そのときは、今までに読んだことのない作家だから、とか、あらすじを読んだ感じ自分には合わなそう、とか理由をつけて避けてしまったのだけれど、このあいだ東京の丸善で再会していよいよ読む決心がつきました。前回の記事にも書...
  • 過去に価値はあるか -『おふるなボクたち』感想

    中島たい子『おふるなボクたち』を読了。以前お茶漬けの話を書いたときに書店を1時間うろうろして棚差しから発掘してきたうちの1冊がこちら。言ってなかったけどもう2冊は『BAR追分』と記事にはならなかった『NNNからの使者 猫だけが知っている』でした。あの雑記書いたの11月ですって。「積ん読消化するのおっそ!」とか思った?私は思った。積ん読消化するのおっそ! こ...
  • おわりもはじまりもない

    毎年、年末年始が近づくと異空間に飛ばされたような妙な気持ちになる。 ああ、そういえば春先にもこんな気持ちになるな、と思ったところでようやく合点がいった。「おわり」と「はじまり」の気配だ。春先に感じたのは強烈な「はじまり」の気配、そして年末年始に感じるのは強烈な「おわり」と「はじまり」の気配なのだ。年忘れだの新年だのと人々は一様に「おわり」と「はじまり」の気配に浮き足立つ。この...

    2018年1月5日

  • おもしろかった小説の設定を組みあわせたら”個人的に一番おもしろい小説”がつくれるのか?

    2017年も残すところあとわずか。大掃除や年賀状の準備などあわただしい年の瀬ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?私は秋に越してきたばかりで部屋もきれいだし、年賀状を送る友達もいないし、暇だし、なにもしていません。悲しくなってきたから1年間の読書の総括でもしようかな。今年もっともおもしろかった小説は――、 昨日、ルノアールで黒蜜ミルクを飲みながら知人のわか...

    2017年12月29日

  • ハムとチキンがつながった -『鶏小説集』を考察する-

    !ネタバレ注意! 本記事は坂木司『鶏小説集』を独自に解釈した考察記事です。物語の結末など作品そのもののネタバレになることは書いてありませんが、設定や世界観などについて引用やページ表記を用いて考察しているので、作品を既読されている方またはこれを承諾する方のみ読むことを推奨します。また、記載される考察はあくまで筆者個人の意見です。以上のことに同意していただける場合のみ記事をお読み...

    2017年12月25日

  • 肉(ニク)めない男の人生 -『肉小説集』感想【再読】

    早急に『肉小説集』を再読して感想記事を書こう。なにこのぐちゃぐちゃ体裁。もんじゃ焼きか。2015年に私に読まれた小説たちかわいそうすぎる。月1ぐらいの間隔で再読して記事を書きなおす救済企画をやるべき。 ――2017年12月14日投稿「クセがない鶏肉は退屈かい? -『鶏小説集』感想」より というわけで2015年投稿記事救済企画第1弾。坂木司『肉小説集』読了です。前...
  • クセがない鶏肉は退屈かい? -『鶏小説集』感想

    坂木司『鶏小説集』を読了。当ブログにおける最古の記事『肉小説集』の続編(第2弾)です。なつかしさのあまり軽率な気持ちで記事を読みかえしてみたら文章力が幼児レベルでのみぞおちのあたりに強力な黒歴史パンチを喰らってしまいました。早急に『肉小説集』を再読して感想記事を書こう。なにこのぐちゃぐちゃ体裁。もんじゃ焼きか。2015年に私に読まれた小説たちかわいそうすぎる。月1ぐらいの間隔で再読...
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佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。