【感想】
  • 黒猫は探偵の象徴 -『黒猫シャーロック ~緋色の肉球~』感想

    和泉弐式『黒猫シャーロック ~緋色の肉球~』を読了。前回の記事にも書いたとおり先日の旅行用にと『サヨナラ、おかえり。』と一緒に購入した1冊です。猫島に行く予定だったので猫の小説を、と手にとったものの、結局フェリーの都合で猫島には行けず活字の猫を堪能するだけになってしまったけれどシャーロックがイケメンでアイリーンが美しかったから許した。 黒猫...
  • 今際の別れは今生の別れ -『サヨナラ、おかえり。』感想

    牧野修『サヨナラ、おかえり。』を読了。先日小豆島へ旅行に行った際、道中で読むのにと行きに購入した小説のうちの1冊でまさにお盆の時期にぴったりなあたたかいゴーストストーリーでした。初読の作家だったので調べてみたら『月世界小説』の作者だそうで。あれちょっと気になってるんだよなぁ。まったく関係ない話だけど『月世界小説』の表紙を思いだそうとすると水森サトリ『でかい月だな』を...
  • existかそれともneedか -『永劫回帰ステルス 九十九号室にワトスンはいるのか?』感想

    若木未生『永劫回帰ステルス 九十九号室にワトスンはいるのか?』を読了。大好きな『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』などを手がける紅玉いづき氏が本書の発売をtwitterで告知していたので、ならば自分の波長にも合うかもしれない、と手にとった1冊。人を選ぶ作品だけど私は結構嫌いじゃないです。 予測不可能な心理学ミステリー 大学に入...

    2017年8月8日

  • 愛をもっとシンプルに -『通い猫アルフィーとジョージ』感想

    レイチェル・ウェルズ『通い猫アルフィーとジョージ』(西村和美/訳)を読了。前作・前々作と感想記事をハーパーコリンズ・ジャパンの営業部の方にtwitterで取りあげていただき、拙筆が知らないうちにNAVERまとめにも使われていたこともあるシリーズ。今作もグッとくる名言だらけでキャットなのにドッグイヤーがとまらなかったので犬派の人にもどちらでもない人にもおすすめです。猫...
  • 『さよならの神様』(鈴森丹子 著)

    鈴森丹子『さよならの神様』を読了。また新しい神様が登場するのかしらとチラと期待もしたのですが、タヌキとビーバーとエゾリスの3匹で通常営業でした。これまでの主人公たちの関係性が1つにまとまったのでタイトルよろしくシリーズに「さよなら」の影を感じて寂しくなるけれど、作品そのものは今ある縁と暮らしを大切にしつつ未来に希望の光を見るような元気になれるおはなしで相変わらずの良...
  • 『雨の降る日は学校に行かない』(相沢沙呼 著)

    先日、岩手に旅行へ行ったのですが、持っていった小説を帰りの電車で読了してしまったので急遽書店に立ち寄り相沢沙呼『雨の降る日は学校に行かない』を補充。新幹線の中でサクサク読みました。 氏の小説は太もも小説改め『マツリカ・マジョルカ』以来3作目だけど、今作も変わらず不器用な少年少女たちのため懸命に言葉を捧げているような、作者の人柄と想いを感じる作品の雰囲気...
  • 『5まで数える』(松崎有理 著)

    昔から極度の人見知りだ。 小学生のときはみんなの前で音読や発表ができなかった。 きっと失敗して恥をかく、笑われる、と考えたら怖くて声が出なかった。 泣きだした私を飛ばして次の人へ。 「泣けば済むと思ってる」「なんでできないの?」 発表しなくても結局恥をかく。ますます人目を怖がるようになった。 なんでできないの? ...
  • 『「電脳マジョガリ」狩り』(向井湘吾 著)

    向井湘吾『「電脳マジョガリ」狩り』を読了。 単行本で400P弱と結構な重量があったので なかなか読み進められないでいましたがようやく記事にできました。 ここしばらくゲーム実況動画を見ていなかったけど、 本作の主人公・翼に触発されて最近また好きな実況者の動画を見ている。 YouTube、ニコニコ動画、SNSとつきあいがある方にはきっと...

    2017年7月10日

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。