• 1年あずけると3万6500円 -『あずかりやさん 桐島くんの青春』

    大山淳子『あずかりやさん 桐島くんの青春』を読みました。読書感想文特集2018年版でも紹介し、まだ記憶に新しい3月読了本『あずかりさん』の続編です。続編があることは知っていて、文庫化するのをうずうず待っていたのですがこのあいだ書店で念願の文庫を見つけたので即購入。積ん読の山でしばらく寝かせることになってしまいましたがとうとう読むことができました。 クオリティーは変...
  • 読書感想文におすすめの小説5選【2018年版】

    毎年恒例、読書感想文特集がじわじわ読まれはじめる季節となりました。学生のみなさんこんにちは。年がら年中趣味で読書感想文を書いている者です。 とはいえ件の読書感想文特集を書いたのは2016年。さすがに情報の鮮度が落ちてきたのでは、という一方的な老婆心から新作【2018年版】を書きました。今回は上半期のハイライトも兼ねるため今年7月までに読んだ小説――しかも刊行年が最近の小説から...

    2018年8月8日

  • ほんとにあった こわいはなしを考える話

    今年も夏がやってきたので、人間から幽霊まで広範囲にまんべんなくこわいビビリの麦と人間も幽霊もフリーフォールも虫も雷もなんでも大丈夫というわけわかんない鉄人(わかば)がこの夏もっともこわいかもしれない最恐のホラー小説を考えることにしました。私が最近こわいなと思った体験は本記事のサムネイルをつくるときに一応それっぽくがんばってみたけど背景の文字がサイコパスかと思うほどに配置ガタガタで狂気を感じ...

    2018年8月1日

  • 夏の夜 カラスの星 -『カラスのジョンソン』感想

    ドリアン助川『カラスのジョンソン』を読みました。最初タイトルを見て「カラスを題材にするの珍しいな」と手にとったあと作者名を二度見してしまった。ドリアン助川。表紙の世界観とあまりにもマッチしていなすぎてすごく気になる。初読の作者でしたが名前の印象を気持ちよくぶっこわしてくれる、私たち“生きもの”を克明に描いた詩的で美しいおはなしでした。 神の視点 小学...
  • なるほどこれは“ごはん”小説 -『キッチン・ブルー』感想

    遠藤彩見『キッチン・ブルー』を読みました。前回読んだ『広告狂想曲24時間』などを購入したときに一緒に書店へ行った知人に頼んで1冊選んでもらったもの。なるほど、ファッション雑誌を読んでいるタイプのOLが手にとりそうな表紙なのでこれはたしかに私だったら素通りしていた。偏見がすごい。「ごはん小説」というワードに惹かれて軽い気持ちで読みはじめたけど、思っていた以上にほっこりできて良作でした。 ...
  • コーヒーの苦味を飲みこめない -『広告狂想曲24時間』感想

    松本周『広告狂想曲24時間』を読みました。最近知人が小説を書きはじめまして、元小説家志望の端くれとして私もその推敲、校正、その他アドバイスなどサポートをしているのですが、その小説がビジネス小説を軸にしているので分野研究を兼ねて手にとった1冊。とっつきやすいページ数とストーリーでサクサク読めたし、ビジネス小説としての緩急のつけかたや〈上司〉〈クライアント〉といった定番キャラクターのステレオタ...

    2018年7月19日

  • ぼくはリス きみはだあれ? -『きげんのいいリス』感想

    トーン・テレヘン『きげんのいいリス』(長山さき・訳)を読みました。『ハリネズミの願い』の作者による幻の原点ということで書店で見かけたとき、読もうかな、どうしようかな、独特の世界観だからまとまった感想が書けるかどうか…と悩みながらページをパラパラしていたのですが、結局25Pくらいまで読んでいた。もう買えよ。買いました。 読んだことないけどシャフリヤール王 ...
  • 恋愛小説が苦手な人のための2つのソリューション提供

    以前、桜川ヒロ『完璧主義男に迫られています』を読んだときに「結構おもしろいじゃん、恋愛小説」と堂々書いたわりに、あれからやっぱりまったく読まないので、人はどうしたら恋愛小説を読むだろうということをわかばと協議した結果、2つのソリューションが生まれたのでご報告します。サムネを見ていただくとわかるとおりふざけています。大丈夫問題ない。なぜならこれが平常運転だから。 ...

    2018年7月8日

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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。