【感想】
  • 余白を考えるのが楽しくて9000文字を超えました。-『来世の記憶』感想

    私なんかほとんど毎日読書感想文を書いているんだぞ。 — 佐々木 麦 (@BLT691) August 24, 2017 2020年8月。今年も、自分のブログの人気記事一覧に読書感想文特集が急上昇してきたことで夏の到来を実感しています。学生のみなさんお元気ですか。こちら、ただの趣味でほとんど毎日読書感想文を書いている佐々木麦です。 読書感想文といえば頭を悩ませる...
  • 最終巻なのに好きすぎて要領を得ない感想 -『おやすみの神様』感想

    本を開く=ドアを開けるだとしたら、靴をそろえもせずにほっぽって、ついでに靴下も放り投げて、語彙力とか読解力とか想像力とか御大層な名前のアウトプット能力全部脱いで襟とかゴムとかだるんだるんの部屋着に着替えてとりあえずベッドにダイブするような。 「この恨みは忘れないからね」 「この味は忘れないでござる」 (P32/L13~14より引用) あ~~~~~ _(:3」...
  • 日常小説に需要はあるか? -『傑作はまだ』感想

    「まだふっくらしてるよ。ここの大福、豆が本当にうまいんだ」 私が好きになる小説はいつも決まってなにかを食べている。物語のさして重要ではない場面で、丁寧に、とても美味しそうに。瀬尾まいこ『傑作はまだ』では大福が、主人公の加賀野こと〈俺〉と、生まれてから25年間一度も会ったことのない息子・智をつなぐある種のキーワード、いや、キーフードになっている。「人」を「良」くする、で「食べる」だ...
  • 私の日常のほとんどは私じゃない人たちで成り立っている -『窓から見える最初のもの』感想

    村木美涼『窓から見える最初のもの』を読みました。前回の野崎“まど”からの連想じゃないよ。『箱とキツネと、パイナップル』を読む前からこれおもしろそうとメモしていた小説だったんだけど偶然にも同作者でした。すごくよかった。村木さんはやっぱり美味しい天然水みたいな物語を書く人だなと。 相沢ふたば、藤倉一博、連城美和子、御通川進、4人を主人公にしたミステリーが交互に展開されてい...

    2020年6月18日

  • とにもかくにも小説が好きだ -『小説家の作り方』感想

    野崎まどの小説はおよそ7年前に『なにかのご縁 ゆかりくん、白いうさぎと縁を見る』と続編読んで以来だったけど、『小説家の作り方』もおもしろかった。とにもかくにも私は小説が好きだ。それを再認識させてくれたことに、自分がこの小説と出会って、読んだ意味があったのだと思う。 主人公とは、物語に多大な影響を与える言うなれば最も大切なファクターでしょう? その主人公の、中でも重要な要素...
  • 佐々木麦は君が好き -『麦本三歩の好きなもの』感想

    20字以内で説明できる小説はいい小説なのだと聞いたことがある、と書かれているので、挑戦してみる。 好きなものをとても大切にしている人の話。 まさか本当に20字(ぴったり!)で収まるとは思わなかった。すげ。まぁ、これから感想に100倍ぐらいの文字数使うんですけどね。 筆名が「佐々木麦」なものだから、主にタイトル的な意味でずーっと気になっていて...
  • 星空の下、わたしたちは幸せ -『星の子』感想

    !ネタバレ注意! 本記事は今村夏子『星の子』に関するネタバレを含む可能性があるため、作品を読了している、または作品のネタバレを承諾する場合のみ閲覧することを推奨します。以上のことに同意したうえでお楽しみください。 初読は2019年12月なんですけど、私年末に読書合宿してまして、そのとき読んだ5冊のうちの1冊だったんですねこれ。せっかく考察がはかどることに定評のあ...
  • 感じるな、考えろ。-『動物たちのまーまー』感想

    !ネタバレ注意! 本記事は一條次郎『動物たちのまーまー』に関するネタバレを含む可能性があるため、作品を読了している、または作品のネタバレを承諾する場合のみ閲覧することを推奨します。以上のことに同意したうえでお楽しみください。 最近Huluで「前略、西東さん」観てるんだけど、こないだたまたまZAZYのネタを見たんですよ。そのときちょうど一條次郎『動物たちの...
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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。