• 息苦しさはオーダーメイド -『かがみの孤城』感想

    辻村深月『かがみの孤城』を読了。昔『名前探しの放課後』を広告かなにかで見かけておもしろそうだなと興味をもって以来、私の中で〈興味はあるのになかなか読まない〉という位置づけになりつつある辻村作品。3年前ぐらいに『ぼくのメジャースプーン』を読んで、その前後にたしか『オーダーメイド殺人クラブ』も読んだことがあります。知人が過去に辻村作品を結構読んでいるらしく、本棚に何作品か置いて...
  • 「アイドル」という物語

    アイドルが好きだ。 初めて好きになったアイドルは嵐。二宮君のファンだった。今でも「キャラメル・ソング」とかときどき無性に聴きたくなる。良曲だよね。今でもアイドルソングというジャンルをぼちぼち聴くけれど、でも、やっぱりアイドルに恋の歌は唄ってほしくないなぁ、と、個人的には思ってしまう。 業界としてのアイドルに別段詳しくないけ...

    2017年10月17日

  • 青春はスペシャルなパンの味 -『うさぎパン』感想

    瀧羽麻子『うさぎパン』を読了。高校生だか大学生だかのときに読んで一度は処分してしまった本だけど、以前どこかの書店でふたたび見かけてなつかしさでつい購入。なにかのタイミングで必ず再読しようと決めてはいたのですがまさか「食欲の秋」とかいう理由で手にとるとは夢にも思っていませんでした。読書の秋?オールシーズン読書してるのでパス。 パン屋は店頭に『...
  • 異端者などいるのだろうか -『テロリストのパラソル』感想

    藤原伊織『テロリストのパラソル』を読了。たぶん中高生ぐらいのときに読んでさっぱりだった大沢在昌氏の〈アルバイト探偵(アイ)〉シリーズ以来のハードボイルド小説だったけど「龍が如く」(ゲーム)で鍛えてきた私に隙はなかった。おそるおそるでしたが読みやすくておもしろかったです。そういえば12月に「龍が如く 極2」が出るそうですね。買います。 私「ハ...

    2017年9月22日

  • 世界はまるごと教科書だ -『君の知らない方程式 BISビブリオバトル部』感想

    山本弘『君の知らない方程式 BISビブリオバトル部』読了。クライマックスが予想外すぎて「ぬぇ!」みたいな変な声が出たあと衝撃の結末に「ええ!?」と叫ばずにはいられなかった。窓見たら思いっきり開いてたし夜だったので枕に顔突っこんでからもう1回「えーーー!」って言いました。 天然の男の娘ナチュラル・ボーイ・ミーツ・ガール vs 燃える萌える氷...
  • 人肌恋しい読書の秋 -『金曜日の本屋さん 秋とポタージュ』感想

    名取佐和子『金曜日の本屋さん 秋とポタージュ』を読了。先々週だったかな、たまたま立ちよった本屋の平積みで見つけて購入しました。季節は秋へ、ということで、8月暮れに読むのはまだちょっと早いかしら…と思っていたらここ最近やたらと肌寒かったのでなんだかんだちょうどいいタイミング。ポタージュ飲みたくなりました。私はトウモロコシの粒々をはじめ具が入っていないもったりしたのが好...
  • ブログの文体について

    最近、本が好き!に投稿している書評がちょっとずつ「読んで楽しい」に投票されだして動揺してる。な、なんだよ、今までこのアカウント無難に「参考になる」しか投票されないマンだったのに…! 薄々察してるかもしれないけど、そのとおり、当ブログは文体が絶賛迷走中です。主に今年7月あたりに投稿された記事が顕著。絶対に見に行くなよ?絶対だぞ! ...

    2017年9月1日

  • あの頃のワクワクに帰ろう -『ほうかご探偵隊』感想

    倉知淳『ほうかご探偵隊』を読了。ブログ運営の参考にしている某読書ブログで紹介されていて、気になったので手にとりました。「ほうかご」をあえて平仮名にしたタイトルや、小学校が舞台であること、小学生が主人公であることから西澤保彦『いつか、ふたりは二匹』のような子供向けのジュブナイル的な作品なのかなと思っていたら容赦なかった。大人も舌を巻く圧巻の真相。『日曜の夜は出たくない...
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佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。