泣いた
  • 夏の夜 カラスの星 -『カラスのジョンソン』感想

    ドリアン助川『カラスのジョンソン』を読みました。最初タイトルを見て「カラスを題材にするの珍しいな」と手にとったあと作者名を二度見してしまった。ドリアン助川。表紙の世界観とあまりにもマッチしていなすぎてすごく気になる。初読の作者でしたが名前の印象を気持ちよくぶっこわしてくれる、私たち“生きもの”を克明に描いた詩的で美しいおはなしでした。 神の視点 小学...
  • ああ、これだから本は愛おしい -『書店主フィクリーのものがたり』感想

    ガブリエル・セヴィン『書店主フィクリーのものがたり』(小尾芙佐・訳)を読みました。代官山の蔦屋書店で見つけたんだったかな。帯にある「本を愛するすべての人たちに贈る物語」という文句に偽りなし。遅効性です。とても穏やかな物語なのだけど、本を閉じてしばらく余韻に浸っていると、突然どういう理由であふれてきたのかわからない涙がぽろぽろこぼれてきました。 本を愛するお...
  • あなたは素晴らしい -『カーテンコール!』感想

    加納朋子『カーテンコール!』を読了。表紙と帯裏に印字されたあらすじに惹かれて手にとり、そういえば大学時代に友人が好きな作家の1人として名前を挙げていたなぁとなつかしく思いながら購入した1冊ですが、もう、最高によかった!最後には涙ドボドボこぼしていました。生涯本棚に収めること決定。今はもう連絡をとることできなくなってしまったけど、彼女はこれ読んだのかなぁ。「最高だった!他の作品も読む...
  • 10㎝動かすだけで世界は変わる -『僕らだって扉くらい開けられる』感想

    行成薫『僕らだって扉くらい開けられる』を読了。書評コミュニティサイト「本が好き!」で見かけてなにこれおもしろそうと気になっていた1冊。なかなか巡りあえなかったのですがこのあいだようやく見つけたと思ったら単行本でした。盲点だった。文庫だと思ってた。なんで?初読の作家で単行本かぁ~と最初は躊躇したものの「相手を金縛りにできる!!!でも力を使うほどハゲる」という帯文句に耐えきれず購入。結...
  • サーカスは“非現実的”な世界だろうか -『サーカスの夜に』感想

    小川糸『サーカスの夜に』を読了。去年の夏頃…たしか旅行の直前、道中で読むのに『黒猫シャーロック ~緋色の肉球~』とか『サヨナラ、おかえり。』を買ったときに一度出会っていて、そのときは、今までに読んだことのない作家だから、とか、あらすじを読んだ感じ自分には合わなそう、とか理由をつけて避けてしまったのだけれど、このあいだ東京の丸善で再会していよいよ読む決心がつきました。前回の記事にも書...
  • この1杯が魔法になる -『魔法使いのハーブティー』感想

    有間カオル『魔法使いのハーブティー』を読了。表紙と版元的にラノベっぽいなぁと一度購入するのをやめた作品なのですが、どっこい、良作でした。ちょいちょい不覚にも涙腺がゆるんでしまった。お冷にローズマリーを入れた水を瓶で出してくれる洒落たロシア料理のお店を知っているんですが久しぶりに行きたくなりました。さむくなってきたし今週末にでも行ってこようかな。ビーフストロガノフが美...
  • 人肌恋しい読書の秋 -『金曜日の本屋さん 秋とポタージュ』感想

    名取佐和子『金曜日の本屋さん 秋とポタージュ』を読了。先々週だったかな、たまたま立ちよった本屋の平積みで見つけて購入しました。季節は秋へ、ということで、8月暮れに読むのはまだちょっと早いかしら…と思っていたらここ最近やたらと肌寒かったのでなんだかんだちょうどいいタイミング。ポタージュ飲みたくなりました。私はトウモロコシの粒々をはじめ具が入っていないもったりしたのが好...
  • 『雨の降る日は学校に行かない』(相沢沙呼 著)

    先日、岩手に旅行へ行ったのですが、持っていった小説を帰りの電車で読了してしまったので急遽書店に立ち寄り相沢沙呼『雨の降る日は学校に行かない』を補充。新幹線の中でサクサク読みました。 氏の小説は太もも小説改め『マツリカ・マジョルカ』以来3作目だけど、今作も変わらず不器用な少年少女たちのため懸命に言葉を捧げているような、作者の人柄と想いを感じる作品の雰囲気...
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Writer
佐々木 麦 Sasaki Mugi
小説を書いたり、読んだ小説についてあれこれ考察をするのが趣味です。雑食のつもりですが、ユニークな設定やしっかりとテーマがある小説に惹かれがち。小説の他に哲学、心理学、美術、異形や神話などの学術本も読みます。